銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
「もうどこにも行かせない。コンラッド男爵の元にも」

「でも……コンラッド男爵にはお礼を言いに戻ら……⁉︎」

反論しようとする彼女の唇を塞ぎ、快感に身を委ねた。

「お前は俺の女だ」

彼女に言い聞かせるように言って、その身体を抱く。

飽くなき欲望と独占欲。

これほど人を欲したことはない。

時間なんか忘れた。

ただ彼女とひとつになりたかった。




セシルを抱き締めうとうととしていたら、小さなノックの音がして、ゴードンが入って来た。

「起きているか?」

声を潜めるゴードン。

だが、その声は少し緊張している。

ついに来たか?

「ああ」と返事をしてセシルの身体にそっと毛布をかける。
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