銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
石壁をつたって左側に移動するが、サーロンも追ってきた。

風も吹いてるし、身体がふらつく。

もっと早く移動したいが身体が思うように動かない。

もっと早く!

サーロンが大股でやってきて、彼との距離が縮まった。

あともう少しで彼に捕まってしまう!

気が急いて、右足を踏み外した。

「きゃあ!」と声を上げながらも、なんとか体勢を立て直す。

心臓はバクバク。

ここからどうやって降りたらいいのかもわからない。

ただひたすら横に進むが、高い塔があってそれ以上は行けなかった。

絶対絶命!

サーロンはすぐそこまで迫ってきている。

「逃げられんぞ」

このままサーロンに捕まるか。

それとも……海に飛び込むか。

海は荒れている。

しかも、この断崖絶壁……水面からかなりの高さがある。
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