銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
それに、泳いだことなんてないし、海に飛び込んで助かる可能性はないように思えた。

ああ〜、どうすればいいの?

ジェイ……。

心の中で彼の名を呟いたら、「セシル!」と下の方から私を呼ぶ声がした。

ジェイの声だ!

下を見れば、階下の部屋の窓から彼が飛び出して、私の真下にある足場まで来た。

「飛び下りろ!俺が受け止める!」

私を見上げてジェイが声を張り上げるが、彼のいる場所も結構距離があった。

足がすくんで動けない。

まごまごしている間に、サーロンが追いついて私の右腕を強く掴んだ。

「捕まえたぞ」

「痛い!」

悲鳴を上げれば、下にいるジェイが「セシル」と叫ぶ。

彼はこちらに這い上ってこようとしたが、サーロンの部下やネイサンがやってきて身動きが取れなくなった。

「さあ、来い!」

サーロンが、私の腕を引っ張る。

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