銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
王太子は五年前に前国王サーロン二世から王座を奪い、再び父であるハワード三世を国王に据えたこの国の救世主。

だが、英雄の彼は噂では夜な夜な遊び歩いて、国王を困らせているとか。

嫁が決まらないから、苦肉の策で年頃の令嬢を集めるのか。

男爵家にとっては、ありがた迷惑な話だ。

どうせ妃に選ばれるのは、王都にいる有力貴族の令嬢に決まっている。

今の国王はまともな人だと思っていたのだけど……。

国政は国王が変わったお陰で上手くいっている。

税は前国王時代の二分の一に減らされ、ここ男爵家も安定した生活を送れるようになった。

前国王の時は領地が不作でも多額の税を納めさせられていて、コンラッド男爵はかなりの借金を背負ったらしい。

「私、絶対に宮殿になんか行かないわよ!遊び人の王太子なんてこっちから願い下げだわ。それに、私みたいな田舎者、誰も相手にするもんですか!」

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