銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
こいつも俺の幼馴染で、サーロンを共に倒した俺の側近だ。

「た、大変だ!」

声を上げながら執務机の前で立ち止まるゴードン。

「少し落ち着いたらどうだ?」

鼻息荒いゴードンに穏やかに声をかけたが、こいつは頭を振った。

「落ち着いてなんかいられるか!ジェイ、宮殿に向かっていたフィッツジェラルド侯爵家の令嬢とバイロン子爵家の令嬢の乗った馬車が立て続けに襲われたそうだぞ」

ゴードンの言葉にギリアンは片眉を上げる。

「いくら幼馴染でも、『ジェイク様』と呼ぶべきだといつも言っているでしょう?それにしても……マズイですね。二台とも王室から出した馬車ですよ」

ゴードンの横にいるギリアンがうーんと目を細めて唸った。

「俺への宣戦布告かもしれないな」

執務机の上で俺は手を組み、考えを巡らす。

サーロンを地下牢に閉じ込めて、それで全てが終わったわけではない。
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