銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
ゴードンの報告にギリアンは顎に手を当て考える。

「コンラッド男爵?……ああ、サダーンの国境付近に領地がある貧乏貴族の」

思い出したようにギリアンが呟くが、その辛辣な言い方に顔をしかめた。

「お前が宮殿に呼んだのに酷い言い草だな」

「私は王都にいる貴族だけでいいのではと進言したんですが、陛下が全ての令嬢を連れて来いと言い張ったんですよ」

ギリアンは弁解するが、こいつの態度が気にいらなかった。

「お前、責任逃れするつもりだろ?お前がお惚けダヌキに加担するから、彼女が巻き込まれたんだ」

冷たい眼差しでギリアンを責めれば、俺の怒りが伝わったのかこいつは黙り込んだ。

すると、場の空気が重くなったのを察して、ゴードンがゴホンと咳払いをし、事務的に今回の事件の詳細を説明し出す。
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