銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
「あの寺院では大司教主催のオークションが行われていたらしい。現場に大司教が倒れてたのは、コンラッド男爵令嬢に腹を殴られたからだそうだ」

ゴードンの説明に思わず目を見開いた。

「……本当に彼女がやったのか?」

華奢な彼女がそんなことをするなんて信じられなかった。

「ああ。彼女のメイドの話では、馬車に襲われた時もその令嬢が誘拐犯に蹴りを入れて逃がしてくれたらしいぞ」

ゴードンが感心したように言う。

「自分よりも使用人の命を優先したのか。凄いな」

そう相槌を打ちながらベッドで目を閉じたままの彼女に目をやる。

「今回のオークション、参加者の中には今回陛下の書状で集められた令嬢の父親も数名いた。だが、首謀者はまだわからん」

腕を組み、ゴードンは首を捻った。

「ライバルを蹴落とすために馬車を襲わせたということですかね?」

ギリアンはチラリと俺に目をやり、意見を求める。
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