銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
クレアが瞳を曇らせる。

辛気くさい雰囲気を変えようと、少し話題を変えた。

「私はクレアを見初める殿方がここにいればいいのにって思うわ」

悪戯っぽくフフッと笑みを浮かべれば、クレアはひどく動揺した。

「わ、私はいいんです」

「よくないわ。年齢的にはあなたの方が上よ。順番としてはおかしくないでしょう?それに、あなたの心配は私がしないと。クレアは真面目な人がいいのよね。顔はどういう人が好みなの?」

少しクレアをからかうと、彼女は声を荒げた。

「セシル様!」

その時、ドアをノックする音が聞こえ、ハッとドアの方へ目をやった。

やはり、私を捕らえにきたのだろうか?

「セシル様はいつでも逃げられるよう準備していて下さい」

声を潜めるクレアに無言で頷き、カツラに忍ばせていたピンを抜いてドアを見据える。
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