銀髪の王太子は訳あり令嬢に愛を乞う ー 今宵、お前を必ず奪い返す
「……勇敢と言えるかどうか。極限の状態だったので、自分でも何をしたか……よく覚えていないんです」
躊躇いながらそう答えれば、陛下は深く頷く。
陛下は御歳五十三歳。頭に白いものがチラホラ見えるが若々しく、端整なお顔をしている。
誰かに……似ているとは思ったが、そう言えば国王は父の従兄だったのを思い出した。
父に似てなくもない……かと、自分を納得させる。
同席している令嬢の何人かは陛下を前にして頰を赤く染めている。
これは陛下狙いのご令嬢もいるかも。
陛下は二十年前に正妃を病気で亡くされている。側室は何人かいるが、御子は王太子様おひとりだけ。
「ああ、そういうものかもしれないな。私も……弟の部下に捕まった時の記憶が曖昧でね」
「今こうして陛下が戻られて、皆安堵しております」
無難な言葉を選べば、陛下は穏やかに頰を緩めた。
躊躇いながらそう答えれば、陛下は深く頷く。
陛下は御歳五十三歳。頭に白いものがチラホラ見えるが若々しく、端整なお顔をしている。
誰かに……似ているとは思ったが、そう言えば国王は父の従兄だったのを思い出した。
父に似てなくもない……かと、自分を納得させる。
同席している令嬢の何人かは陛下を前にして頰を赤く染めている。
これは陛下狙いのご令嬢もいるかも。
陛下は二十年前に正妃を病気で亡くされている。側室は何人かいるが、御子は王太子様おひとりだけ。
「ああ、そういうものかもしれないな。私も……弟の部下に捕まった時の記憶が曖昧でね」
「今こうして陛下が戻られて、皆安堵しております」
無難な言葉を選べば、陛下は穏やかに頰を緩めた。