オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
もしかしてインタビューというのはカムフラージュで本当は昨日のビンタの件でお咎めがあるとか?

失恋した上、会社をクビ?そんな最悪の展開を予想してしまい、頭を下げたまま顔を上げることが出来なかった。

「謝んなくてもいいよ。俺も言いすぎたし……あれは酒の席だ。それよりも……井上君はすぐに俺が誰か気付いたが宮園、お前は広報だぞ?俺の顔と名前ぐらいちゃんと覚えておけよ」

やれやれといった表情で話す副社長は昨日の、ふてぶてしさとは違ってどんな表情も凜々しい。

これは女子社員がワーキャー言うのも頷ける。

「本当に申し訳ございません。以後気をつけます」

副社長はクスッと笑うと私をソファに座るよう促した。


「で?インタビューだったな」

副社長は、さ~何でも聞いてくれと言わんばかりにドカッとソファに座ると足を組んだ。

「は、はい」

ぎこちなく返事をし、インタビュー内容を見て更に不安になる。どう見てもアイドルへの質問みたいな内容だからだ。

昨日の今日でこんな質問したら何を言われるだろう。

『女子社員が選んだナンバーワンイケメン!吉岡副社長を知りたい』ってこのタイトルからしてふざけてる。

とはいえ仕事だから割り切らな句てはならない。
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