オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
「今回は、我社の女子社員からの熱い要望があり、たくさんの質問の中から厳選していくつか質問させて頂きます。仕事とは全く関係ない事がほとんどなんですがよろしいでしょうか」

「……内容によるけどな。まあ良い初めてくれ」

「わかりました。では……休日はどのように過ごしていらっしゃいますか?」

いきなりタイプの女性は?なんて質問はできないので無難な質問を選んだ。

「特別何もしてないな……まあ、適当に書いておいてくれ」

「え?そ、そういうわけには……何かありませんか?ドライブとか読書とか……食べ歩きとか」

初っぱなからこんな調子じゃ先が思いやられる。

「じゃあ~今言ったやつ書いといて」

…適当過ぎ?けどこれ以上何か言って機嫌を損ねられるのも困る。

私は渋々「わかりました」と返事をすると赤ペンで『ドライブと読書』と紙に書き込んだ。

気を取り直して次の質問に移る。だがまともな質問というのは最初に質問したものだけであとはどれも恋愛に結びつくようなものばかり。

昨日のビンタを見ている私には聞きにくい質問ばかりだ。

その中でもどれが聞きやすいのか考えていると「おい。何ぼやっとしている。さっさと進めろ」と注意を受ける。

もう、こうなったらどうとでもなれ!

「現在恋人はいらっしゃいますか?」

淡々とした口調で尋ねた。
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