オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
浩太郎さんの怪我が完治した途端大忙しになった。

毎日、遅い帰宅と早い出勤。

会話は朝食の時のみの生活となった。

少しは休んでほしいと思うのだけれど誰も彼を止めることはできなかった。

唯一、私ができることといえばバランスのとれた食事を作ることだけだった。

だが、そんなある日の朝、突然ドライブデートに誘われた。

忙しい中私のために時間を割いてくれたことが嬉しくて二つ返事でOKした。

仕事が終わり次第連絡すると言われたのでこの日は仕事を早めに切り上げた。

もちろん、二人の交際は公にはしていないので近くのカフェで待ち合わせをした。

浩太郎さんの仕事も早く終わったようで、何ヶ月ぶりかのドライブデートを楽しんだ。

だが、ドライブは1時間程度で終わった。

正直海とかどこの夜景を楽しむのかと期待していただけにあっさりと終わっってしまった。

そしてマンションの前まで来た時にふと浩太郎さんの部屋に明かりがついていることに気づく。

「あれ?今朝照明は消したはずだったのに」

だが浩太郎さんは関心なさげに車を駐車場に止めた。


「ただいま〜」

テンション低めで家に入り、すぐにキッチンへと向かおうとするとなぜか浩太郎さんが後ろから私の肩を掴みリビングへと誘導した。

「え?何これ?」

ダイニングテーブルが綺麗に飾られ、ナイフやフォークなどのカトラリーがセッティングされていた。

するとキッチンから一人のシェフが現れた。

「ケータリングを頼んだんだよ」

< 156 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop