オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
その途端副社長の顔がパッと赤くなる。図星か?!

「わ、悪いかよ」

てっきり否定するかと思ったのにあっさり認めちゃう所に可愛いと思ってしまった。

もしかしてこれってギャップ萌えってやつ?

「悪くないですよ。ただ、副社長の様な方でも苦手な物があるんだなって思って」

「小さい頃にじいちゃんの家の倉に一人で入ったら閉じ込められて……そのせいで暗いところが苦手になったんだ。今も寝るときは真っ暗な部屋では寝れないんだ」

確かに私も常夜灯をつけてじゃないと眠れない。でもそれ以上に私が驚いたのはじいちゃん。すなわちうちの会社の会長の家に倉があるって事。さすが金持ちは違う。

「私もそうですよ。常夜灯をつけて寝るタイプですから」

するともう暗がりじゃなくなって安心した副社長は手を握ったまま顔を近づけ「やっぱり俺たち相性ぴったりだな」満足そうな顔を浮かべた。

「い、いや、それとこれとは」

慌てて否定しようとするとエレベーターは1階へ。

そしてエントランスを出ると黒塗りの車と運転手らしき人が待っていた。

私たちが近づくと運転手が後部座席のドアをさっと開けた。

「乗って」副社長に背中を軽く押され1歩前に出るが、私の様な一社員がこんな運転手付きのしかも副社長の車になんて乗れない。

「の、乗れません。私、タクシ―に――」と下半身に力を入れ乗るのを拒むがパンプスを履いた私の下半身の力などたかがしれてる。

「いいから乗れ」

小さな声だが低く、凄みのある副社長の声に逆らえないと瞬時に感じ取った私は気は引けたが半ば渋々乗った。
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