オオカミ副社長は蜜月の契りを交わしたい
そして車に乗ること20分。着いた場所は

「ここって……」

「科学館」

「え?」

驚く私を見て浩太郎さんはクスッと笑い、私の手を握り歩き出す。

科学館の中に入るとプラネタリウムのチケットを購入した。

「お好きなんですか?プラネタリウム」

「ん?なんとなく」

「はぁ~」

プラネタリウムなんて小学校の課外授業以来だ。

人気があるのだろうか、会場にはいると家族連れよりもカップルの方が目立っていた。

私たちは外側の席に座ったが、その椅子にも驚いた。リクライニングは当たり前だが椅子が左右に動くのだ。

「なんか座り心地もよくて、このまま眠ってしまいそう~」

私は座席にもたれるように座りながら天井を見上げる。

「眠ってもいいよ」

「え?」

普通なら寝るなよというのにどうしてと思い体を起こす。

「偶然とはいえ妹やその妹に思いを寄せている元彼にバッタリ会えば疲れたはずだ。プラネタリウムでも見てリラックスするもよし……寝てもよし」

「……」

そういう理由でここに連れてきてくれたの?
< 63 / 161 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop