朝、目が覚めたらそばにいて

私たちが食事を終える頃、同じテーブルには営業部の若手男性グループがやってきた。
その中には私と沙也加と仲の良い同期もいる。

それが登坂修一(とさかしゅういち)だ。
彼は新人研修で私と沙也加と同じグループになり、それから仲良くなった。

けれど男女の恋愛関係はない。
だって登坂くんの想い人は沙也加だから。今はまだ友達関係以上にはなっていない二人を私はどうにかしてカップルにしたいと思っていた。

「おっす」

普段から登坂くんも目立つ容姿だ。
背もそこそこに高く、大学時代までやっていたサッカーで引き締まった体はスーツを着ていてもわかる。

登坂くんと沙也加の間にいる私はさらにちんちくりんに見えてしまう。
155cmしかない私の背が、二人の間にいるとさらに小さく見えるのだ。
それにクールビューティな沙也加と対照的なタヌキ顔。
どこもかしこも丸い。
特に丸い頰がコンプレックスでもあった。


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