ロマンスがありあまる
「そんな姉さんが変わったのは、今年に入ってからだった。

誰から見てもわかるくらいに姉さんが生き生きと輝き始めたんだ。

最初僕は気のせいかなって思ってたけど、それが確信に変わったのは従順だった姉さんが父に反抗したって言う時。

父が出したお見合い話を姉さんは断ったんだ。

それで何日か父と話をしない日はあったけど、僕と母が間に入って修復した。

友達もできて、恋人もできて、姉さんは彼らのおかげで変わった。

先月の終わりだったかな?

姉さんが恋人を連れて実家にやってきたのは。

それを見た瞬間、僕も変わらなきゃいけないなって思って」

専務が私に視線を向けてきたので、
「…それで、私と婚約をですか?」
と、私は言った。
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