混 迷

···連絡がつかない


クリスマスイヴになっても
咲空と連絡は、とれなくて
この日は、雛と葵と三人で過ごした。

久々に兄妹でゆっくりした。
羚は、落ち込みぎみだったが
弟と妹と楽しく過ごせて
なんか、ホッとした。


そんな俺達を良く思わない
後妻の里は、夫の晴敏に
「後継者は、葵にしてくれるのですよね?」
「葵は、甘いところがあるからな」
「きっと、直ぐに役にたつようになります。」
「だがなぁ・・・」
「やはり、あなたは晶さん(前妻)を
愛していて、晶さんとの
子供を・・と、思っているんですね?」
「そんなことはない。
わかった、わかった。
だから、里泣くな」
「本当ですか?」
「ああ。なら、羚をとうざけて下さい。
邪魔されたくないし」
「ああ、わかった。」
晴敏は、若い里が可愛くてたまらなかった。
里を抱き寄せた。

里は、晴敏の腕の中で
ニヤリと笑っていた。

晴敏は、会社を羚に
継がせるつもりでいたのだが・・
里が、葵をつがせないなら
家を出る勢いだったので
渋々ながら、葵で行くと決めた。

「羚は、4.5年
海外で就業をさせては?
来年の4年生から留学させて
あちらで就職させては。」
と、里は言った。

晴敏は、承諾をして
年内中に羚に話して
留学させることにした。
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