芸能人の彼と普通の女子高生。
「.....1つ聞いていい?」
それまで静かに聞いているだけだった大川君。
「うん、何?」
「その松田さんの好きな男って、そのネックレスの相手?」
「.....えっ!?」
奏大さんから貰った次の日から学校の時もずっとつけていたネックレス。
見えてたの!?
思わずバッと首元を手で隠す。
彩香にも気付かれてないから、しっかりと隠れてると思ったのに。
「シャツで隠れてるから周りの人は気付かないと思うけど、こうやって今みたいにぴったりくっついて上から見てるとちょっとだけ見えるよ」
「あっ....」
そう言った大川君は首元に当てていた私の手をどかし、隠していたネックレスを見えるようにシャツの外へと出した。
「男除けで付けてろとか言われたの?彼氏?」
「そんなんじゃないよ...。それに、彼氏じゃない。確かにこのネックレスはその人から貰ったものだし、着けてとは言われたけど。でも意味とかそういうんじゃなくて、ただ私が着けたくて着けてるだけだよ....」
だって、やっぱり好きな人から貰ったものを身につけていたいと思うから。