芸能人の彼と普通の女子高生。






「ふーん。でも、松田さんがそう思ってるだけでその男は多分、違うと思うよ」






松田さんが分かってないだけだよ、と言って大川君は今まで見たことないような冷たい顔をして私のネックレスを見下ろす。






「違うって?」






その大川君の初めて見るよう表情にドキリとする。






「ん、知りたい?」





「....うん」





大川君は何を知ってるというの?





何も分からない私は不安になる。





「じゃあ俺がそのネックレスより凄いもの付けてあげる。松田さんに気持ちも伝えずこんな首輪をつけるような真似する男には効き目あるはずだから」






「何言って....」






大川君の言葉の意味が分からなくて聞き返そうとした。






でも、




「ごめんね、松田さん」





私が何かを言うより早く、





大川君は私の耳元でそう囁くように呟いた。






そして、






「やっ....」





私の首元に顔を埋める。





ふわっと大川君の髪が私の頬にあたったと思ったら途端に首筋に違和感を感じた。





生温かさと、柔らかい感触、






それから少しチクっとした痛み。






チュッ





わざとらしく立てたような音とともに大川君は私の首から離れた。





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