芸能人の彼と普通の女子高生。
「やっ......。大川君、今、....何したの....?」
「......分からないってことは初めてなんだね。痕、付けておいた。松田さんは色白いからよく目立つね」
そう言った大川君はどこか意地悪そうに微笑んで私の首筋を撫でる。
「痕...?」
「ネックレスと違って時間が経てば消えるけど、きっとどんなモノより意味を持つものだよ。松田さんの好きな男にしっかり見てもらいな」
「......」
「これからは優しくできない時もあるかもしれない。ごめんね、でも今は松田さんをうんと困らせたい」
「大川君....」
「これからは俺を男としてみて。あ、露骨に距離を取ろうとしない。雨、強くなってるんだから」
「ご、ごめん....」
大川君の言葉も、行動も私にはどれも難しい。