芸能人の彼と普通の女子高生。
「まぁ、とりあえず飯食ってけよ。愛衣、洗面台案内したら、その後適当に座らせてろ」
「.....うん。じゃぁ、あの、すみません、こっちです」
案内役は何故か私だ。
まだ混乱しているっていうのに。
そしてお父さんはまた台所に戻っていき二人きりになってしまった。
「.....あんた、名前、愛衣っていうの」
珍しく向こうから話しかけてくれた。
「あ、はい。松田愛衣っていいます。えっと....」
この人はなんて名前だろ?と思って思わず顔を見る。
「.....俺のこと、知ってる?」
「え?えっと、.....すみません、お名前、お聞きしましたっけ?」
多分、聞いてないと思うんだけど。
まだ来店されたの2回だし。
それに、きっとこんな格好いい人なら忘れないと思うんだけど。
全く分からずうーん、とハテナマークが浮かぶ。
「........俺のことは......、奏大って呼んで」
「奏大さん、ですね。分かりました!」
今日はお客様、奏大さんの名前を知れて素顔
も見せてもらえてなんだか凄い日だ!