カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
飲み過ぎた気がしてきた。


「副社長と雨宮さんは話が合うんですか?」

「普通に話すけど。」

「でもギャップとかありそう。」

「うーん、俺は日本育ちじゃないから元々ギャップとか生まれないのかも。」

「雨宮さんは?副社長と一緒に過ごしてて、気が休まってる?」

「副社長だよ?イケメンだし、雨宮さんも見られたり知られたくない事だってない?」

「うんうん。私ならスッピンで過ごせない。」


慈英から私へターゲットが変わる。

ほろ酔いの私はチューハイを置いて先輩方と対峙する。


「そんな事はないですよ。家での副社長は会社での副社長とは違いますし。」

「でも緊張とかしないの?」

「しませんよ。私は出逢った時が副社長としてではなくて、一人のお客様でしたから。会社に入ってからの方がギャップが大きかったです。」


素直に答えていた。

出逢いは一人のお客様で、副社長として出逢っていない。

家での慈英に緊張なんてしない。

ありのままで過ごしてきたから。


「一人暮らしをしていた頃にはもう戻れないですね。」

「…………。」

「一緒に過ごすのが当たり前になっちゃったみたいです。」
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