カリスマ副社長はフィアンセを溺愛する
突如静まり返る飲み会。

首を傾げて見渡せば、私と慈英を交互に見ている面々がいた。


「今…………。」

「一人暮らしには戻れない?」


先輩方の言葉に、バッと口に手を当てて塞いだ。

ちらりと隣の慈英を見れば、呆れた視線と交わる。

ヤバいかも。


「副社長と一緒に住んでるの?」

「…………。」

「俺の弟と雨宮の写真。あれ、本当は俺のマンションで雨宮も住んでる。」


フォローしたのは慈英だ。

そして慈英に視線が集まる。


「あの件で俺は家にも帰れず、雨宮とも会社で会うだけ。」

「…………。」

「でもお互いに何かが物足りないと感じれた。」

「…………。」

「辛かったけど、逆に改めてお互いが必要だと感じた1ヶ月、いや1ヶ月半だったと思ってる。」


手のあるグラスを見つめる慈英のセクシーさに目を奪われる。

視線だけを向けられドキリと鼓動が速まる。


「心菜、幸せにしてやるからな。」


シーンとする飲み会。

私の鼓動が早鐘を打ち始める。


「幸せにしてやる。改めて誓った。」


ヤバい。

泣きそう。
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