溺愛王子様のつくり方
ポケットにいまだ入っているその紙。
すぐに捨ててしまうつもりだったのに、なんだか捨てれなかった。
「葉菜か……」
学くんがぼそっと呟いた彼女の名前にさえも嫉妬しそうになってしまう。
「好き、だったんでしょ?」
「まぁ、そりゃ。じゃないと2年も付き合ってない」
……ということは、あたしとのことがあってから葉菜さんに恋をした学くんがいたってわけで。
過去のことなのにどうしようもなく、羨ましい。
「お前だって、そうだろ。好きだったんだろ?」
「うん、そうだね」
自分と同じことなのに。
自分はよくて、相手はダメだなんて。
そんなこと言っちゃダメなのに。
「あとから気づいんだよ。勘違いだったって」
「え?」
急に〝勘違い〟だなんて言い出した、学くんの顔を見上げる。
「似てるんだ」
スっと学くんの手が伸びてきて、メガネが外される。
すぐに捨ててしまうつもりだったのに、なんだか捨てれなかった。
「葉菜か……」
学くんがぼそっと呟いた彼女の名前にさえも嫉妬しそうになってしまう。
「好き、だったんでしょ?」
「まぁ、そりゃ。じゃないと2年も付き合ってない」
……ということは、あたしとのことがあってから葉菜さんに恋をした学くんがいたってわけで。
過去のことなのにどうしようもなく、羨ましい。
「お前だって、そうだろ。好きだったんだろ?」
「うん、そうだね」
自分と同じことなのに。
自分はよくて、相手はダメだなんて。
そんなこと言っちゃダメなのに。
「あとから気づいんだよ。勘違いだったって」
「え?」
急に〝勘違い〟だなんて言い出した、学くんの顔を見上げる。
「似てるんだ」
スっと学くんの手が伸びてきて、メガネが外される。