溺愛王子様のつくり方
「似て……?」


「あぁ……。メガネを外したちとせと葉菜」


「え……?」



自分があんなに綺麗だなんて思えないから、不思議におもってしまう。



「似てるよ。もちろん、服の好みも髪型もスタイルだって全然違う。でも、顔は似てんだよ」


「そうなのかな……」



スタイルが全然違うとは、なんだかディスられてるような気になるのはあたしだけだろうか。

まぁ、葉菜さんのようなナイスボディには到底なれないけど。



「最初は葉菜にめちゃくちゃ惚れてたんだ。ぶっゃけ一目惚れ」


「……っ」



その後、勘違いになることがわかっているのに。
好きな人からほかの人に一目惚れした話なんて聞くのはやっぱり嫌だ。



「でも、似てたのは顔だけだった。俺、ちとせの中身に惚れたから、全然違うと気づいたときにはもう好きじゃなかつたんだ」



──気づくまでに3年もかかったけどな

と付け足した。

< 164 / 189 >

この作品をシェア

pagetop