次期社長の溺愛が凄すぎます!
「突拍子もないこと言う人だと思っていましたが、行動まで突拍子もないと、どう対応していいのか困ります」

「こう見えて、かなり考えてから行動してるんだが。晩飯はどうする?」

あ。晩御飯になりそうかな?

「これからだと夜も遅いですし、軽く食べられるものにしましょうか。時差ボケもあるでしょう?」

「そんなにひどくはない。13時間程度だから」

いや、半日違えば昼と夜おかしいことになるんじゃないかな。

ぼんやりしていたら、バッグの中から聞きなれた着信音が鳴った。

「わっ。あの、ごめんなさい。すれ違ったらまずいと思って大音量に……」

鳴り続けるスマホを手に取って画面を見ると、藤宮さんが眉をひそめて口を開く。

「和志……?」

「弟です。って、何を勝手に人のスマホを覗き見てるんですか」

「さすがに、目の前に見えるように出されたら見るだろう。出なくてもいいのか?」

「あ。じゃ、ちょっと失礼します」

母さんじゃなくて、和志からの連絡は珍しい。

何だろうと思って画面をタップした途端……。

『姉ちゃん出るのおせぇよ!』

いきなり怒鳴りつけられてムッとした。

「仕方ないでしょ! 出られないときだってあるんだから」

『この際、どうでもいいから、早く病院に来いよ!』

「早く病院にって、何! え。いや……病院?」

本当にいきなり過ぎて、話についていけないんだけど!
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