次期社長の溺愛が凄すぎます!
「藤宮さん……あなたは何してるんですか」
「お見舞いだが」
そりゃそうだよね!
病院の病室に遊びに来たっていうのなら、もちろん叩きだすところだ。
「そうではなくてですね。どうしてうちの父親の見舞いに、あなたが来るんですか」
私が知らないだけで、藤宮重工と、うちの工場で取引でもあるのかな。
それならそれで納得するんだけども。
考えながら畳まれたパイプ椅子を出していたら、藤宮さんは小首を傾げながらニコリと爽やかに微笑んだ。
「麻衣子の父君のお見舞いだ。するのは当然だろう」
「ですから、どーしてそう、誤解を招くような言い方をあなたはするんですか!」
声を荒らげると、父さんと藤宮さんに同時に”しーっ”というように、人差し指を唇に当てて窘められる。
「四人部屋なんだから、見舞客は声を少し抑えろ。他の人に迷惑だろう。それに痴話げんかは犬も食わないぞ。やりたいなら病院の外でやれ」
厳つい顔をしながら父さんに説教された。
あああ、だから違うんだって。
この間から今日まで、藤宮さんは会社の本社の人で、一応上役に当たるんだって言っても聞いてくれない。
さすがに昔のネタ――私と奏斗と、藤宮さんと元婚約者さんのいざこざを言うつもりもないし、詳しいことは省いて説明したけど……。
「お見舞いだが」
そりゃそうだよね!
病院の病室に遊びに来たっていうのなら、もちろん叩きだすところだ。
「そうではなくてですね。どうしてうちの父親の見舞いに、あなたが来るんですか」
私が知らないだけで、藤宮重工と、うちの工場で取引でもあるのかな。
それならそれで納得するんだけども。
考えながら畳まれたパイプ椅子を出していたら、藤宮さんは小首を傾げながらニコリと爽やかに微笑んだ。
「麻衣子の父君のお見舞いだ。するのは当然だろう」
「ですから、どーしてそう、誤解を招くような言い方をあなたはするんですか!」
声を荒らげると、父さんと藤宮さんに同時に”しーっ”というように、人差し指を唇に当てて窘められる。
「四人部屋なんだから、見舞客は声を少し抑えろ。他の人に迷惑だろう。それに痴話げんかは犬も食わないぞ。やりたいなら病院の外でやれ」
厳つい顔をしながら父さんに説教された。
あああ、だから違うんだって。
この間から今日まで、藤宮さんは会社の本社の人で、一応上役に当たるんだって言っても聞いてくれない。
さすがに昔のネタ――私と奏斗と、藤宮さんと元婚約者さんのいざこざを言うつもりもないし、詳しいことは省いて説明したけど……。