次期社長の溺愛が凄すぎます!
あんぐりと口を開いたまま絶句してしまった私と、涼しげに笑っている藤宮さんを見て、原さんが頭をポリポリとかいた。

「ああ、なるほど、珍しくプライベートだな、圭一」

そう言うなり、原さんはあぐらに座り直す。

場の雰囲気が、一気に私的なものに変わり、藤宮さんは原さんを横目に見てから眉をひそめた。

「そもそも、俺が食事に誘ったのを、勝手に歓迎会にしたのは叔父さんだろう」

「あれで誘っていたつもりなら、お前、相当な口下手だぞ?」

呆れたような原さんの言葉に、藤宮さんは眉を寄せて腕を組む。

「ちゃんと誘ってもいいか、伺っていたと思うんだが……」

難しい表情の藤宮さんを眺め、とりあえず開いていた口を閉じ、今日の出会いを反芻する。

確かに伺われていたかもしれないね。

とても淡々と『久しぶりに人と食事がしたくなった。誘ってもいいだろうか』って、言われた記憶がある。

あれが“お誘い”だったんなら、かなりの口下手の部類になるんじゃなかろうか。

見た目はこんなにキリッとしたイケメンなのに、藤宮さんて残念なタイプの人なのかな。

考えてみるまでもなく、彼の人となりなんて、私は全然知らないしねぇ。
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