次期社長の溺愛が凄すぎます!
ちょいちょいと母さんが指差す方向を見て、目を丸くした。

圭一さんが、小さなりゅうちゃんに手を差しのべている。

「よくここまで来たな。小さい身体で大変だったろう」

……うん?

「赤ん坊というものは、見ていて飽きないと聞いたことがある。本当のようだな」

「あー」

りゅうちゃんが手を伸ばし、差し出された圭一さんの手を掴んでにじりよった。

りゅうちゃんはご機嫌のようだ。

ニコニコしながら圭一さんの顔を一生懸命見つめて「あー」とか「うー」とか言っている。

「うん。正直に言うと、君の言っていることは僕には理解不可能だ。ただ、君が仲良くしようとしてくれているのはわかる」

無表情の圭一さんは頷いて、ぎゅうぎゅうに握られた手を上下に揺らした。

「君の父親の姉と結婚する。義理の伯父として、仲良くしてくれると嬉しい」

そこまで言った時、母さんと美夜ちゃんは同時に「可愛い~!」とか呟いたけどね。

よく考えてみろ。片や無表情のいい大人。

片や言葉もままならない赤ん坊のやりとりなんだよ!?

真面目に何やってんだという言葉と、何か見てはいけないものを見てしまった恐怖が、パニックを引き起こす。

いや。これって爆笑案件なのかな?
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