次期社長の溺愛が凄すぎます！
考え込んでいたら、ずっと仏頂面をしていた和志がすくっと立ち上がった。

「俺は認めないからな！　どこぞの会社の坊っちゃんか何か知らねーが、いきなりやってきて突然ねーちゃんと結婚なんて、俺は認めねぇ！　男なら俺と勝負しろ！」

ちょっと待とうか和志。

それを言ったらあんたも、一応は父さんの会社の二代目で坊っちゃんだし、確かにいきなりだったかもしれないけど、姉弟の結婚話なんて突然で当たり前でしょう？

そもそも、自分の息子をあやしてくれている……んだと思うけど、その人に勝負しかけるって。

慌てて近づいていって、威嚇している和志と圭一さんの間に割り込む。

「姉ちゃん、どけよ！」

「意味は不明だけど、姉思いの弟だということはわかったからさ。とりあえず、ちびっこもいるんだし……」

落ち着きなさいと言いかけて、睨まれた。

「うるさい！　これは男の勝負だ！　姉ちゃんは黙ってろ！」

怒鳴られて、スゥッと冷静になる。

「そうかそうか。それなら姉ちゃんは婚約者として、割り込んででも止めないとね。圭一さんに挑みたいなら、姉ちゃんを倒してからお行き」

お互いにファイティングポーズを取って対峙したら、後ろから肩を叩かれて振り向いた。
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