次期社長の溺愛が凄すぎます!
支払いを済ませて、車に戻ってくると真面目な表情で藤宮さんを見た。

「半分払います」

「いらない。俺を甲斐性なしの男にしないでくれないか?」

「男の甲斐性なんて単なるプライドじゃないですか。そんなもので生きていけませんよ」

「プライドのない男は腑抜けだ」

まさしく真理である。

そりゃプライドはないより、ある男の人の方がカッコいい。

だけど、こっちの身にもなってほしい。

ポイッと高価なプレゼントくれちゃうわ、おごってくれるご飯は高いわ。この間のシーフードのレストランも、絶対に高いよね?

「私みたいな女に貢いでどーするんですか」

「貢いでいるつもりはないのだが……」

お互いに顔を見合わせて、同時に眉を下げる。

「俺は好きなようにしてるだけだから、麻衣子は気にしなくていい。君がおいしそうに何かを食べている姿を見ていると、俺は楽しいんだ」

「そ、そこは見て見ぬふりくらいしましょう? めちゃめちゃ恥ずかしいですから」

赤面して慌てると、藤宮さんは不思議そうに私を見つめ返してくる。

「案外、照れ屋なんだな」

「食事風景を楽しく眺められて、喜ぶ女はあまりいないんじゃないでしょうか……」

「覚えておこう。では、次は買い物だな」

「何がほしいんですか?」

物欲はないとか言っていた人の、ほしいものはなんだろう。

「ついてくればわかるよ」

そう言われて、次に向かったのは老舗のデパートだった。
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