次期社長の溺愛が凄すぎます!
だいたい、前に口説いてるって宣言していたけど、下心があるんなら、もうちょっと、こう、言い寄ってくるもんだよね?

引っ張り出されてるのは間違いない、でも、これはなんとも判別しがたい。

それに、私は明らかに『付き合うつもりない』って公表したんだから、てまひまかけるような人間でもなく……。

からかってるにしても、プレゼントの内容が胃が痛くなるくらいに重い。

「男の人ってメンツ気にするから、かなりめんどくさいしなぁ……」

ボソッと呟いたら聞こえていたみたいで、困ったように眉を下げられたけど、軽いノックと同時に染谷さんが入ってきたので、藤宮さんはいつものポーカーフェイスに戻った。


「お待たせいたしました」

出された紅茶のいい匂いが漂うなか、あたりさわりのなさそうな黒のワンピースを選ぶ。

ストールがあるからいらないと言い張ったけど、華麗なスルースキルを発動されて、またまたコートやパンプス、バッグまでの一揃いを購入された。

「俺も頼んでいたスーツに着替えるから、麻衣子も着替えておいで」

「こちらのストッキングもどうぞ。とてもセクシーな気分になれますよ」

ニコニコしている染谷さんに八つ当たりするわけにもいかないし、渋々受け取って試着室に入る。

……いくらかかるかはわからないけど、夏のボーナスが出たらちゃんと代金はお返ししよう。

それで足りなかったら貯金切り崩すしかないかなぁ。
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