キミの取り扱い説明書~君が冷たくする理由~


けど、俺の思ってた以上に、相手は手強かった…。


2ヶ月後。



「あ、優愛ちゃん。それ俺持つよ」


「えっ、でも…」


「いいから!」


「…ありがとう」


ニコリとも笑わず、
愛想の無い、そっけない顔をしている彼女。


えっ…
ここって無表情になるとこ?
ここは、"ありがとう"って最高級スマイルだろ?


「ねぇ」


「ん~?」


「中山くんってさ、最低最悪な人間だよね」


「…はっ?」



いきなり何を…



「私、中山くんみたいな人だいっきらいなんだよね」



はぁっ!?



「いっつも人を見下したような言い方してさ」


えっ、


「い、いつ俺が見下した言い方してんだよ!?」


俺にはそんな事した覚えは、な…


「"イジメられる理由がある奴が悪い"」



「!?」



「"俺がちょっと優しくしただけで調子乗んなよ"」



「……」


な…なかったはず、なのに…



「そう言ってたのはどこのドイツだっけ?」



…もちろん、それは…俺だ。
< 20 / 44 >

この作品をシェア

pagetop