佐野くんっ…!!
「そうなの。…じゃあまたあした、学校で」



まだ視線をそらしている彼に私は短く挨拶をして、家のある方向へと歩いていく。





佐野くん


誰も話しかけてこず、つまらない生活に唯一光を与えてくれた存在。


彼の存在が次第に心の中で大きくなっていっているのを私は薄々と勘づいていた。


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