佐野くんっ…!!

♛︎ 2

「転校するか」


「……え?」



朝食中、突然お父さんが口を開いた。

転校…
あんなに反対していたのに!?
なんで急に………


黙り込む私を見て、



「まぁ、嫌なら辞めておいた方がいいんだが」



新聞を畳みながらお父さんは呟く。




ダメなわけない…!




「し、したい…!」



私は少し喰い気味に答えた。

お父さんはそれを聞くと、キッチンにいるお母さんの方をチラリと見やる。



「もう、ダメですよ、そんな叶いもしない事なんて言ったら」


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