私の運命、変えてみせます!
そっぽを向こうともノワールは私が背ける方向を的確に当てて、目を合わせてこようとする。
あまりの恥ずかしさに私は頭から布団を被って、掴んだ枕をノワールがいるであろう方に向かって投げつけてやった。
でも枕の的を外したみたいで、ノワールは私の隣に座ってくる。
「随分と楽しそうでしたよ、お嬢さん」
「街のみんなのお陰でね!楽しかったわよ!!」
「もう立てないくらいに飲んで、俺にしがみついてくるもんだから……もう俺、そんなお嬢さんが可愛くって。ここまで運んでくるのも大変だったんですよ?」
「分かったわよ!だからもう、その話は聞きたくなーーい!!」
声からして分かる、この人私を弄るのを心から楽しんでる。
記憶がないせいで、嘘か本当かも分からないから否定も肯定もできない。
異世界に来てこんなに人に弄られるまで飲んでしまうとは、本当に馬鹿なことをした。
「あー面白かった!お嬢さんにあんなもあるんですね」
「はいはい、そうですよーだ」
「そうやって恥ずかしがるのも、見てて可愛らしいと思いますよ」
「あのねえ!」
布団から出てもうやめてと口を塞いでやろうかなと思ったけど、ノワールとの近さに完璧に動きが止まってしまった。
綺麗な顔が目の前にあると、次の行動を移すことができないようだ。