雨上がり、空を見上げた。



そこからかれこれ1時間くらいくだらない話をして笑い合っていた。
そんな時間が何より幸せに感じた。

ふと時間が気になって時計を確認したくてようやく部屋の電気をつけた。

時刻を確認すると深夜1時。
私は変な時間に眠ってしまったせいか全く眠くなかったけど先輩は明日も朝が早いと愚痴っていたのを思い出し心配だったのでそろそろ寝ると伝えた。


そして電話を切ろうとした瞬間

『ちょっと待って!!』と聞こえ慌てて耳元に携帯をあてなおす。


少し焦っているようにも緊張しているようにも感じる先輩の声が不思議だった。

『どうしました?』そう短く答えた。

『あのさ、もし空いてたらでいんだけど、8/28って空いてる?』

と聞かれたので慌てて予定を確認してみたけれど確認するまでもなく
夏休みなのに何も無いガラガラなスケジュール帳に切なくなるだけだった…


『空いてますよ』と答えると先輩は嬉しそうに

『ほんと?良かった!その日さ花火大会があるんだよね、一緒に行きたいなって思って。ダメかな?』と言ってきた。


ダメな理由がどこにもなかった。
そのくらい私はきっと気付かないうちにあの人を好きになっていたんだと思う。


即答するように
『ダメじゃないです!』
と答え、電話は終わった。


その日、嬉しい気持ちを噛み締めて浮ついた気持ちのまま眠りについた。


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