続*もう一度君にキスしたかった

「結婚したくないわけじゃないんです。寧ろしたい……んですけど。彼としか考えられないんですけど」

「うんうん。目の前に突き出されてテンパってるわけだな」

「その通りです……」


もしかして、結婚そのものに悩んでると思われているだろうか?
決してそうではない、ただ、仕事に心血を注いできた自分の心との、兼ね合いを探している、そんな感じだ。


「うちの場合はさ」


間宮さんが片手で顎を触りながら、目線は翔くんを追いかけている。
そんな横顔とか見ていると、さすが一度はカナちゃんが目を付けただけあってかっこいいと思った。


「奥さん、最初は確かに専業主婦だったけど、実は仕事以外にやりたいこと持ってる人でさ。そっちに一生懸命だったから、結局なんだかんだ仕事してる主婦と同じくらい忙しそうだった。結局、活動の幅を広げたいっつって資格取って仕事にしちゃったけど」

「すごい。アクティブな人ですね」

「こと、そのやりたいことに関してはな。でも子供生まれたらやっぱ、限界感じた時に選択を迫られるのは女の方だよなあ」

「え……やめちゃうんですか?」


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