続*もう一度君にキスしたかった

そうか、同年代ということは、朝比奈さんがマネージャー時代は間宮さんもサンリーフで同じ立場で何かとかちあったことがあるのかもしれない。
私がサブについたのは最後の一年くらいだし、他社にまで気が回らなかったから覚えていないけれど。


「吉住さんの彼氏がまさか朝比奈さんとはね」

「同じ会社だし特に意外なことでもないでしょう」


何だか特殊な緊張感を抱きつつ二人を交互に見ていると、男の世界だなあと入りきれない空気を感じた。


キッズコーナーに不似合いな不穏な空気を醸し出すふたりに周囲の視線は集まる。


ただでさえ二人とも目を引く風貌だ。
私服姿の朝比奈さんと間宮さん、どちらも歩けば人が振り返るような存在感とイケメンぶり。


居心地の悪さに、ちょっとでも和やかになれとばかりに私は唐突に話を振った。


「翔くん元気いっぱいですねー、あ、朝比奈さん、あの子が間宮さんのお子さんです。可愛いですよね」


言いながら翔くんを指差した。


「ああ、だからキッズコーナーに居たんだ」

「俺が振り回されてるとこを吉住さんが手伝ってくれたんですよ」


翔くんは元気いっぱい遊びに夢中で、こちらには全く無関心の様子だ。
今知り合ったばかりだろうに、少し大きい男の子と随分楽しそうにじゃれているのを見ていると、不意に携帯の着信音が鳴った。


私のでも、朝比奈さんのでもない音だ。
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