続*もう一度君にキスしたかった
「ちょ……あの、こんなとこであんまりくっつかないで」
「こんなところで僕には話せないようなこと話してた?」
「違いますってば! だ、大体、既婚者の間宮さん相手にそんな、」
「僕が大人げないのは充分知ってると思ってたけど」
大人げないヤキモチを妬いてるのは自覚あるんだ!
腰に回った片手にがっしりと引き寄せられ、私の顔を覗き込む。
その距離の近さを両手で牽制しながら、背を反らして周囲を見れば、やっぱりちらちら視線が飛んでくる。
ってか、間宮さんからも絶対見えてるから。
「今話せないなら、後でじっくり聞こうかな」
ひぃ!
絶対吐くまで離してもらえない気がする!
赤くなっていいやら青くなっていいやらわからないセリフを耳元で聞かされて、じわりと汗が滲んだ。
こんな、子供がたくさんいる微笑ましいキッズコーナーでべたべたくっついて、明らか周囲から浮いている。
「もう! 離れてくださいってば!」
と、少し声高に主張すれば、何やらつんつんと下の方からカーディガンの裾を引っ張られる感覚があった。