続*もう一度君にキスしたかった
私もそれほど朝が得意ではないので、アラーム音は一番耳障りな音を選び、ボリュームも最大にしてある。
よくもこの音の中で眠れるものだと、感心する。


最終手段で、擦り寄ってくる朝比奈さんの顎に手を当てて、押し返した。


「起きてくださいってば! 今日は大阪! 行かないといけない日でしょう?」


そこでようやく、腕の力が緩んで彼の目が開いた。


「……大阪?」

「そうです。ほら起きてください」


ぼんやりとしていた目がやっと、焦点が合ってきたもよう。
そうだった、と小さく呟いて、再び私の肩に顔を埋めた。


「あ! だめですって」

「わかってるよ、起きる。行きたくないけどわかってます」


はー、と深い溜息が肩口で聞こえる。
寝起きの彼は、少々駄々っ子だ。

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