続*もう一度君にキスしたかった

大体、普段から朝比奈さんはスマホには無頓着というか、私の目の前で平気で放置している。
ロックをかけてるからなのかもしれないし、私は触ったことがないからよく知らない。


一緒に居る時にスマホを見る時もあるけど、操作してる時って、自然と目を逸らすものだからよく見ていないのだ。


けど、もしも何かやましいことがあったとしたら肌身離さず持ってそうな気がする。


ぱぱっと二つスマホを持ってリビングに行くと、朝比奈さんがもう朝ご飯の準備をしてくれていた。


「真帆、起きれた?」

「はい! ごめんなさい、私も手伝います」

「いいからシャワーしておいで。もうすぐ出来るよ」


キッチンから、良い香りが漂っている。
燻製の匂いがするから、ベーコンか何か焼いてくれているのかもしれない。


「ありがとうございます。朝比奈さん、着信鳴ってました」


上手く言えたかな。
変に勘繰ったりしたくないし、したと思われたくもない。

< 39 / 166 >

この作品をシェア

pagetop