続*もう一度君にキスしたかった


ぶす、と膨れた私を見て彼は、けしからぬことに嬉しそうに笑っている。


「心配ないよ。会社でも大学でも先輩ってだけ」

「何笑ってるんですか」

「妬いてるって顔してるから」


その時また、ぴろりろりん、とスマホが鳴った。
恐らく、既読だけして返事をしないことに催促のメッセージだろうと、つい画面を見てしまい。


「ぶふっ」


思わず、吹き出してしまい、更に二度見三度見した。


『返事くらいよこせ色ボケ紳士』


色ボケ紳士。
え、それ。


朝比奈さんのこと?


< 46 / 166 >

この作品をシェア

pagetop