続*もう一度君にキスしたかった


「朝比奈さん、いらっしゃいますか」



聞こえたマネージャーサブの女の子の声に、びくっと肩が震えた私。
彼のキスも一度動きを止めて、唇を触れ合わせたままの至近距離で目があった。


まずい離れなきゃ。
でも今顔見られたら、口紅は取れてるわ顔は赤いわで絶対ばれる気がする!


けれど、まさか続行、という選択肢は全くなかった。
なのに、彼は弧を描いて目を細めると。


「静かにね」


と小声で囁いて、再び舌を深く私の中に潜り込ませた。


声も出せない、物音も立てられない。
そんな中で続くキスに、抵抗したくても気配が伝わればここにいることを気取られる。


「朝比奈さん?」


もう一度ノックがされて、がちっという音と共に扉が動くが、施錠のおかげで当然開かない。


「朝比奈さんなら、午後から出張だろ。もう居ないんじゃねえ?」


いつばれるかとひやひやしていれば、向こう側から伊崎のナイスアシストが聞こえてきた。



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