続*もう一度君にキスしたかった
「ごめん、ちょっと散らかってるかも。ホテルには事情話して延泊を頼んであるから、明日も慌ててチェックアウトしなくていい」
「でも、大丈夫? 痛みはないの? せめて寝るまで付き添ったらダメなの?」
「痛み止めが効いてるし大丈夫。付き添い、許可がいるみたいだし。夜遅くに知らない土地でひとりで歩かせたくないから、笹木に送ってもらって。その方が僕も安心できる」
そして、鍵の上に財布から取り出したカードも一枚、乗っかった。
「それに頼みたいこともあるから、今日はゆっくり休んで。真帆が来てくれて助かった。カード預けとくから、明日まとまった金額を下ろして来て欲しい」
「わかった……ごめんなさい、私何も考えず準備もしないで来ちゃって……」
考えてみれば、食事のことだとか入院の準備だとか、ちゃんと説明を笹木さんから聞けば準備してこられたのに。
慌てて来て迷惑をかけるばかりの自分が情けなかったけれど、朝比奈さんは笑って私の頭を撫でた。
「真帆にしか頼めないから、来てくれてよかったよ」