【完】恋歌
ざわざわと、生温く何処か居た堪れないないような風が、夜を誘う。
薄月の僅かな光の中では、全てが沈黙を守る。
微かに聞こえる森の木々の呼吸。
其処へ、遠吠えする狼が、1匹…また1匹と増えていった。
少しだけ、温度が下がったような気がした。
すると、見る見る内に広がっていく霧…。
彼女は、低く…目の前の霧へと囁くようにして呟いた。
「……………来たか……」
「始めまして………ハンターさん?」