【完】恋歌
Side:武瑠

雲が晴れ渡り、相手の顔を映し出す。

さらさらと風になびく黒髪は、艷やかで聖者のようだった。

切れ長の瞳は、氷のように色を失くしている。
じっと見つめられると、吸い込まれてしまいそうだ、と彼は思った。

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