YELLOWmajic

少しの間、気まずい沈黙が流れた。
私たちはその空気に逆らうように歩いた。


「でもね・・別れたくないんだ。」

「え・・っ?」

「だってそうでしょ?好きなんだもん。他の人に取られたくないもん。」

「稜・・?」

「本当は・・菜槻の言うとおりなんだよ!ずっと好きなのに、一言で別れちゃうなんてさ・・そんなの可笑しいじゃん。」

「・・もしかして・・」

「言ってなくてごめん・・ね。・・昨日、別れようって言われたの。慎(しん)に。」

「うん・・」

「それで"ちょっと考えさせて"って言ったらね・・もう・・決めたんだって・・、気持ちは変わらないって…もう戻れないって・・ー」


「・・・・」


「可笑しいじゃん!!こっちがどんな想いで告白したのか知らないで・・。
 もとから好きじゃないなら、付き合ってなんて欲しくなかったのに。」

「稜・・!?」

「・・もう戻れないんだ。たった2ヶ月だったけど、付き合ってたんだ。」

「・・でも・・、言ってくれてありがとう。」

「そんな言葉要らないよ。慰めたりしなくていいから。ただ悔しいよ。」

「・・・。」

「すっごい悔しくて、辛くて、涙がこぼれそうだった。それくらい好きだった。好きだったのに、上手く伝わらなかったみたい。」

「そんなことなかったよ!」

「そうだよ、稜。だって知ってる?慎いつも稜のこと楽しそうに話してたんだよ。」

「いいよ・・今更言われたって、嬉しくない。」

「稜のサッパリしてるところが好きなんだって!!」

「え・・?」

「そう言ってた。」
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