釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~


「送信っ・・・」

ようやくパソコンのメールの送信を済ませた頃には

閉店時間も過ぎて、私以外の従業員も誰もいない。

パソコンの電源を落とそうとした時だった

社長からの返信が受信ボックスに届いた。


:報告内容について君と少し話したい事がある。

僕の連絡先を送るからそちらに返信してくれ。


モニターに浮かぶ文字を見て、血の気が引いた。

報告内容に何か不味いヶ所があったのだろうか。

何も考えずに携帯の連絡先と思われるIDへと、自分の携帯からメールを送信した。


最早、最悪、クビかも。なんて考えたらパニックになって暫く、社長からの返信を事務所で待っていたけれど・・・

自分のお腹から聞こえた空腹のサインに我に返り

頭の中、真っ白のまま帰宅した。



なんでわざわざ携帯の連絡先?

めっちゃ恐いじゃん。

何を言われるわけ?

久しぶりに寄ったコンビニ限定のカップ麺の味さえ感じなかった。

でも、一向に返信の来る気配のない携帯をみているうちに、少しずつ冷静さを取り戻しつつあった。


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