釣り合わない!!~溺愛コンプレックス~
シャワーを終えて、ベッドに入って油断した時だった
携帯のメール着信音に、思わず飛び起きて何故かベッドの上で正座してのメール確認。
:個人的な連絡先を教えてしまってすまないね。どうか恐縮しないでくれないか。
「えっ!プライベート用の携帯⁉」
思わず、声にだして突っ込んでしまったが、続けて届いたメールに、安心からか思わず緊張の糸がほぐれてしまった。
:以前、面白い企画書を提出してくれた佐野彩葉さんだよね?
君と仲間たちが企画してくれた物は順調に商品化されているようだ。
会社へ素晴らしい貢献をしてくれた事に感謝しているよ。
まさか、私の事を知っていて、その上、こんな言葉をかけてくれるなんて、夢にも思っていなかった私は、何度もその文章を読み返し、移動が決まった最初の頃に抱いていた会社への憎い気持ちも、社長から直々に届いたこの言葉で浄化されてしまいそうだった。
なんと、返事を返せば良いのか分からなく、悩んでいると、再度、続いて届いたメール。
:君は僕の優秀な部下の一人だ。
何か困ったことがあればいつでも相談してくれて構わない。
「社長に相談なんてできるわけないじゃん!」
また、思わず一人言で突っ込んだあと
:ありがとうございます。
文章力のない私の精一杯の気持ちをメールで送った。